[No.860-2]二代目のネコ
No.860-2
「今までは茶色だったでしょ?」
確かに、あいつは茶色だった。
「今日は真っ白だし」
これまた確かに、あいつは白だ。
「最近、茶色のネコを見掛けなくなったんだよね」
それと入れ替わるかのように、今度は白いネコが現れた。
「それ以来、茶色のネコは見てないんだ」
「そう・・・それは心配ね」
縄張り争いにでも敗れ、去ってしまったのだろうか?
それとも人知れず寿命を全うしたのだろうか・・・。
「新天地で、よろしくやってるのかもしれないよ?」
「・・・それもそうね」
我々が思うほど、彼らはやわじゃない。
「で、白いネコはどんな感じなの?」
「それがさぁ・・・」
茶色のネコを白にしただけのような感じだ。
つまり、色以外は生き写しと言ってもいい。
「一言で言えば二代目って感じ?」
「それって・・・」
同僚が何やら考え始めた。
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