[No.858-1]洗濯ばさみの謎
No.858-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「これなに?」
彼女が僕のアルバムを見ている。
「なにって・・・ただの洗濯ばさみだよ」
彼女が言いたいことは分かっている。
わざと、とぼけてみた。
「そうじゃなくて・・・な・・・」
「“なんでこんなことしてるのか”ってことだろ?」
彼女じゃなくても、聞きたくなるだろう。
確かにインパクトはある。
「もう!いじわるね」
「ごめん、ごめん」
とは言うものの、実はその答えを持っていない。
「で、なんでこんなことしてるの?」
「・・・覚えていない」
その写真には僕と姉、そして近所の同級生が映っている。
皆、服を覆い尽くすほどの洗濯ばさみをくっ付けている。
「覚えてないの!?」
「うん・・・」
なぜ、そうしたのか・・・背景は覚えていない。
そもそも、そんな写真があることすら忘れていた。
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