[No.853-2]かわいさアピ-ル
No.853-2
「アピールしてない?」
「・・・かもな」
相変わらず僕らをじっと見つめている。
時より、小刻みな動作を加えながら。
「かっわいいぃ~!」
「ねっ!あげていいでしょ?」
人に慣れているからと言っても、さすがに気になってしまう。
確かに、アピールしているようにも見える。
「仕方ないなぁ・・・」
ポップコーンを小さくちぎって、目の前に放り投げた。
僕らもまだ食べていないというのに。
「ついばみ始めたよ!」
小さくしたつもりだったが、まだ大きすぎるようだった。
でも、上手に食べ始めた。
「問題はここからなんだよな・・・」
予想通り、これを見ていた他の連中が続々と集まってきた。
こうなると、もう、多勢に無勢になる。
「ハトも!?」
「カラスも来たよ」
ある意味、ベンチ前は修羅場と化した。
こうなると、多少、ばら撒いたほうがいいだろう。
「あげるから、ちょ、ちょっと待って!」
「じゃ、まずは私からねっ!」
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