[No.852-1]昔見た景色
No.852-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「不思議なもんだよな・・・」
「なにが?」
独り言のつもりが、しっかり聞こえていたようだ。
「いや、その・・・」
独り言のつもりだけに、答えを用意していなかった。
「独り言だった?」
逆に彼女が気を利かせてくれた。
「う、うん・・・ごめん、つい・・・」
「いいけど、珍しいわね?」
それは当たっている。
普段から、ぶつくさと独り言をいうタイプではないからだ。
「窓の外を見てたらさ・・・」
ちょっと、不思議な感覚に陥った。
「昔、出張でよく来てたんだ、ここに」
「・・・で、この電車からよく外を眺めてたんだ」
とは言え、別に深い意味はない。
ただ、ぼんやりと景色を見ていただけだった。
「そう言えば・・・」
「出張が多かったって嘆いてたもんね」
特に、ここ大阪は幾度となくなく訪れた。
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