[No.847-2]小さな庭
No.847-2
「憧れるよな・・・」
目の前に、ファンタジー風の小さな庭が見える。
一見すると意味不明な物が、逆にそれらしさを演出する。
「不思議な空間ではあるわね」
「ある意味、僕の理想だな!」
何となくこんな感じが好きなのは知っていた。
芸術的なセンスが彼にはある。
「広々とした庭より・・・」
「狭いくらいがちょうどいいんでしょ?」
私もどちらかというと後者だ。
その点に関しては、彼と意見が合う。
「そう!それそれ!!」
良く言えば、お互い物に囲まれて生活したいタイプだ。
その方が妙に落ち着く。
「お楽しみのところ悪いけど・・・」
「そろそろ行かない?」
お腹がペコペコだ。
そもそも、目的地はここではない。
「ごめん、ごめん!けどさぁ・・・」
「来年は実際にこんな庭で暮らしてみないか?」
(No.847完)
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