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[No.842-2]真っ赤なス-パーカー

No.842-2

「あんな車で迎えに来られたら誰だって・・・」

注目の的だろう。
ドラマとかなら、ついでに花束も持ってたりする。

「女性なら、イチコロじゃない?」

彼女は違うと信じたい。
でも、さっきからの言動からすれば・・・。

「それはどうかな・・・」
「違うの!?」

イチコロはないにしても、心は揺れるだろう。

「だって、さっき、目で追ってただろ?車を」
「それに気になるって・・・」

男として、見えない敵に負けた気分だ。

「確かに目で追ったし、そうも言ったよ」
「だって・・・うふふ」

肝心な時に、笑いで誤魔化そうとしている。

「なんだよ!」
「ごめん、だって・・・」

僕の追い詰められたような顔を見て、笑ったらしい。
失礼な話だが。

「あんな、うるさい車が通り過ぎたんだもん・・・」
「目で追うし、気にもなるよ」

つまり、好意的な行動ではないらしい。
逆に、迷惑だと言わんばかりの表情だ。

「私はごめんだよ、あんな車」
S842
(No.842完)
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