[No.840-1]濃い本
No.840-1
登場人物男性=牽引役
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時々、なんの前触れもなく、写真が届く。
それが、分かりやすいものなら苦労はしないのだが・・・。
(何だよ・・・また、悩ませる気か?)
知り合いの女性から、LINEが届いた。
そこには一枚の写真が添えられていた。
『色んなジャンルの本を読んでるね?』
見たままを返した。
ただ、何かに偏っているような気がしないでもない。
「・・・今度は何だよ!?」
すぐに返信が届いた。
けど、また本の写真だった。
「“老人の取扱説明書”・・・」
すぐさま、あることが頭をよぎった。
「まさか、お父さん?」
母親は数年前に、亡くなっている。
そうなれば、必然的にそう考えてしまう。
「仕事には関係ないだろうし・・・」
職場は違えども、仕事の内容は知っている。
『身近な人?』
やんわり、聞いてみた。
直球では聞きにくい。
「今度は何!?」
また、すぐに返事が届いた。
「“かどとすみの違いを言えますか?”・・・って何だよ!?」
正しくは、返事ではなく、新たな本の写真だった。
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「(034)小説No.826~850」カテゴリの記事
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