[No.837-2]3→1→2→1
No.837-2
「数字だから、何らかの数なんだよな・・・」
ごく当たり前のことを言い始めた。
けど、その考えは悪くない。
「・・・3回、3枚、3・・・3人・・・ん!?」
「人の数か!?」
何やら気付いたようだ。
自分と私に、交互に指を向けた。
「2・・・人だよな」
さすが、その手のクイズに慣れている。
ここまでくれば時間の問題だろう。
「その前は、1人・・・あっ!?」
どうやら、謎が解けたようだ。
「分かった?」
「あぁ、多分、こうだろ?」
彼は入学当初、中学からの友人3人と群れていた。
でも、ほどなくして、1人になった。
ただ、一人ぼっちになったという意味ではない。
「最初は群れてたけど、そいつらと距離を置くようになった」
「そして、私と付き合い始めた・・・」
つまり、その人数の変化をクイズにした。
「激ムズだろ、この問題!?」
「でも、解けたじゃん!それとも自分が優秀とでも言いたいわけ?」
「勘弁してよ・・・」
こんな私でも包んでくれる・・・だから、すぐに好きになった。
「それなら、俺もクイズだすよ」
「えっ!?」
彼が2の後に、1を付け加えて、“3→1→2→1”にした。
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