[No.837-1]3→1→2→1
No.837-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「何かの暗号?」
「そうねぇ・・・暗号クイズとでも言えばいいかな?」
最近、感じたことを素直に暗号にしてみた。
「暗号のどこか“素直”なんだよ!?」
「そうかな?」
直接答えを伝えるより、この方が良いと思った。
その方が何十倍もそれを理解できるはずだ。
「とりあえず、もう一度見せてくれない?」
「なんだぁ~結構、食いついてるじゃん!」
彼はこんな感じのクイズが好きだ。
だからこそ、あえてそうしてみた。
「どうぞ!」
暗号を書いたメモを渡した。
「3→1→2、だよな?」
「そう、見ての通り」
いくら彼でも、これだけでは分からないだろう。
「ヒントは?」
「そうねぇ・・・私たちにすごく関係している・・・それに」
入学してから、今までのことを振り返って欲しい。
「まだ、2ヶ月くらいしか経過してないぞ?」
“振り返るほど何かあったわけじゃない”とでも言いたそうだ。
「でもその2ヶ月は結構、濃いものよ」
この間に、人間関係や自分の立ち位置が決まる。
入学してからの数ヵ月は、普通の数ヵ月じゃない。
「とりあえず振り返ってみるけど・・・」
彼が腕組みを始めた。
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