« [No.835-1]とんでもなく良いこと | トップページ | [No.836-1]祈り »

[No.835-2]とんでもなく良いこと

No.835-2

「親切心よりも、やさしさを感じたわ」
「良い一日の始まりになったな!」

そう、本来ならそうなるはずだった。

「違うの?」
「・・・うん」

車が止まってくれた後に、問題があった。

「予想外の出来事に、ビックリしちゃって」

何もなかったかのように、そそくさと横断歩道を渡ってしまった。

「つまり、お礼をしなかった・・・と」

お辞儀するわけでもなく、声を出すわけでもなく・・・。

「車が通り過ぎた時に、ハッ!と気付いて」
「それが、すっごく心残りで・・・」

一変して、どんよりとした朝になってしまった。

「でも、そんな人は、見返りなんて考えてないさ」

彼がとんでもなく良いことを言った気がする。

「だから、あまり気にすることはないと思うな」

確かにそうかもしれない・・・彼の一言に救われた気分だ。

「そうね!私もそんな人になりたいわ」
「期待しているぞ!」

何故だか、ニヤリとした表情を浮かべた。

「ところで、もうすぐホワイトデーだよね?」
S835
(No.835完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
 ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.835-1]とんでもなく良いこと | トップページ | [No.836-1]祈り »

(034)小説No.826~850」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.835-2]とんでもなく良いこと:

« [No.835-1]とんでもなく良いこと | トップページ | [No.836-1]祈り »