[No.835-1]とんでもなく良いこと
No.835-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「ちょっと、聞いてくれる!?」
どうしても、話さずにはいられない。
「な、なんだよ」
「今朝ね・・・」
信号機がない道路を渡ろうとしていた時の話だ。
「えっ・・・事故ったの?!」
「・・・なら、ここに居る私は、幽霊とでも?」
冗談はさておき、話を進めよう。
「一台の車が向こうから来るのが見えて」
渡れなくもなかったが、安全のため立ち止まることにした。
「そしたら、その車も止まったんだよね」
全く予想していない出来事だった。
「でね、なんでかな?って思っていたら」
私の立っている場所が、横断歩道であることに気付いた。
「だから止まってくれたんだ」
「そうみたい」
今までそんな経験をしたことがないし、見掛けたことすらない。
「なかなか出来ないことよね?」
「そうだな」
彼も真剣な顔でうなづいている。
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