[No.834-2]着替えるだけで
No.834-2
「私たちも、似合ってないんだろうね」
「だろうな」
着慣れたリクルートスーツのはずだ。
でも、色々な意味で、着こなせてはいない。
「これから、頑張らないとね!」
その言葉は、俺たちだけに向けられたものではないだろう。
「きっと大丈夫さ!」
「・・・そうね」
俺もそのつもりで言葉を発した。
「・・・唐突だけど、週末空いてる?」
「それって、デートのお誘い?」
色々と話をしている内に、もっと彼女のことを知りたくなった。
「・・・そうかもしれない」
「うふふ・・・正直ね!いいわよ、別に」
ちょっと、卑怯な気がしないでもない。
不安な者同士の仲間意識に付け込んだ感が残るからだ。
「・・・どうしたの?考え込んで」
「ん?いや、別に・・・じゃ、あとで、またLINEする」
「お待たせ~・・・ん?なにかへんかな?」
「い、いや・・・」
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