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[No.831-2]胸に残る卒業式

No.831-2

「そうね~」

あらためて、思い出す“フリ”をしてみた。
でも、もしかしたら何か出てくるかもしれない。

「・・・う~ん」
「で、あった?」

やっぱり何もない。
悲しくなるほど・・・。

「・・・ない・・・ね」
「普通はそうなんじゃない?」
「え、ええっー!?」

今までの会話は何だったのかと思えるほどの豹変ぶりだ。

「さっき、指折り数えてたじゃん!」
「そうだっけ?」

何事もなかったように、サラッと言い放った。

「何なのよ!?最後の最後まで!」
「お陰様で、意味不明な同僚のことを忘れずに済みそうよ!」

転職のため、この地を離れる。
だから、こんな同僚ともこれでお別れだ。

「ほんと!?」

同僚の嬉しそうな顔を見て、今、全てを悟った。
S831
(No.831完)
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