[No.831-1]胸に残る卒業式
No.831-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「卒業式の思い出は?」
「・・・とくにないけど?」
卒業式の思い出を語るには少し遅いかもしれない。
もう、入学や入社を目の前にした時期だからだ。
「・・・寂しい青春時代だね」
「そう?じゃぁ、あなたは?」
どうせ似たようなものだろう。
有りそうで無いのが、卒業式にまつわる思い出だ。
「わたし!?そうねぇ~」
予想に反して、首を傾げながら指折り数え始めた。
「そんなあるの!?」
「もてたからね!」
悔しいけど、それは否定できない。
「どれから話そうか?」
「私が悪うございましたっ!」
さっさと白旗をあげた方が身のためだ。
延々続く、自慢話には付き合っていられない。
「でも、ひとつくらい何かあるでしょ?」
そう言われても無いものはない。
至って、普通の卒業式を過ごしてきた。
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