[No.829-1]指なんか立てたりして
No.829-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「おっ!懐かしいな、この曲・・・」
初めて聞いたのは、中学生の頃だったろうか?
「・・・フフフ」
「何だよ、その笑いは?」
僕を小馬鹿にしたような笑いではない。
逆に微笑ましい笑いだった。
「だってぇ・・・」
笑いを堪えながら、僕を指さす。
ただ、指している場所が、微妙な位置だ。
「僕・・・を指さしてるよな?」
「さしてるわよ、指を」
(・・・なんだ?)
意味が分かるような、分からないようなセリフだ。
「・・・指を指さす?」
「なぞなぞか?」
今流れてるこの洋楽と何か関係があるのだろうか?
「ごめんごめん!」
「ほら、さっき・・・」
僕が天井を指さしたという。
“懐かしいなこの曲”というセリフとともに。
「そう言われてみれば・・・」
確かに、天井に向けて指をさした。
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