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[No.828-1]陽射しはピンク色

No.828-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「陽射しが色付いてきたね!」

一瞬、自分の耳を疑った。

「・・・今、なんて言った?」
「“陽射しが色付いてきたね”って言ったわよ」

どうやら聞き間違いではないらしい。

「それを言うなら・・・“景色”とかじゃない?」

春が近付くと、それこそ花が色付く。

「それに、服装も変わるし」

街が色付く・・・と言ってもいいだろう。
極端に言えば、見るものが全てが色付き始める。

「ただ、陽射しは変わらないだろ?」

夕焼けならまだしも、陽射しが色付くなんて聞いたことがない。

「そんなの百も承知よ」
「あ・え・て、そう表現したかったの!」

不機嫌とは言わないが、怪訝そうな顔をしている。

「まぁ、真夏だったら・・・」

陽射しの強さを、“色”に例えることもできなくはないだろう。

(No.828-2へ続く)

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