[No.824-2]恋の残骸
No.824-2
「ただ、今回は・・・」
落ちる瞬間を目撃し、それを手にとってしまった。
「口は悪いけど、事故に巻き込まれた気分」
とにかく、どう処理すれば良いのか分からない。
「けど・・・さぁ・・・」
「・・・なに?」
友人が何やら考えている。
「“わざと落とした”ってことない?」
「それって・・・」
友人が言いたいことは何となく想像できる。
少女マンガにでも出てきそうな展開だろう。
「あなたの気を引こうとして・・・」
「そんなことあるわけないでしょ!?」
否定しつつも、多少の期待を抱いてしまった。
「明日あたり、声を掛けられるんじゃない?」
確かに、落とし方が不自然だったようにも思える。
「そう考えると・・・さぁ・・・」
アチコチで落ちている片方の手袋。
報われなかった恋の残骸かもしれない。
(No.824完)
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