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[No.823-1]ヒイラギとイワシ

No.823-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「どっちも・・・イワシだよな?」

送られてきた写真には、焼き魚が二匹、写っていた。

「おかえり!」
「ただいま・・・」

挨拶もそこそこに、あれが気になって仕方がない。

「写真送ってくれただろ?」
「節分だからね!」

節分に、ヒイラギとイワシを用意する。
彼女から聞かされて初めて知った。

「節分と言えば、豆まきしか知らなかったよ」
「実は、私も最近まで知らなかったの」

聞けば、買い物に出掛けた時に、たまたま耳にしたらしい。

「鬼が嫌いなんだって、この組み合わせが」

そういうと、あらためて、それを指差す。
もちろん、さっきから視界には入っていた。

「でもさぁ・・・どっちも同じに見えるんだけど?」
「・・・ん?」

話が通じていない雰囲気だ。

「だから、どっちもイワシだろ?」
「・・・そうよ?」

それでもまだ話が通じない。

(No.823-2へ続く)

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