[No.822-1]携帯を持ったら
No.822-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「・・・」
「なに?」
何もしゃべっていないのに、伝わったらしい。
表情にでも出ていたのだろうか?
「ほら、全員、スマホ片手に・・・」
よく見る光景と言えばそれまでだ。
でも、今は“見事”と言っても良いくらいだ。
「ほんと、全員、いじってるね」
正しくは僕達を除いて全員だ。
数名立ってはいるが、彼らさえもいじっている。
「けど、それが?」
「今じゃ、別に珍しくもないでしょ?」
ふとあることを思い出したからだ。
「昔、携帯が世の中に出始めた頃・・・」
当時の彼女にあることを言われた。
「興味深いわね」
それが今でも心の片隅に残っている。
「“浮気でもするつもり?”と言われたよ」
爆発的に普及する前の話だ。
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「(033)小説No.801~825」カテゴリの記事
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