[No.820-2]雪国の余裕
No.820-2
「何かあった?」
「ごめん、そんなんじゃない・・・」
別に悩み事とか心配事があるわけじゃない。
「ほら、さっきから雪の話題が・・・」
「・・・それがどうしたの?」
同僚には悪いが、雪に興味がない。
もちろん、ちゃんとした理由がある。
「私・・・雪国生まれなの」
「そうなの!?知らなかった・・・」
同僚と親しくなって、まだ日が浅い。
お互い、まだ知らないことも多い。
「・・・だから・・・か」
「うん・・・そういうこと」
私にとっては、珍しくも何ともない。
雪がチラホラしようが、晴れや雨となんら変わらない。
「ごめん・・・」
「ううん、それを言うなら私のほうよ」
もちろん、生返事をしてしまったことに対してだ。
それと、もうひとつ、謝る理由がある。
「雪は初めて?」
「・・・うん、だからつい・・・」
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