[No.819-2]T路地の恋
No.819-2
「理由?・・・見せ付けたいから?」
「ううん・・・その場所ってね」
その場所は、T路地になっている。
彼らは、その交差点にいる。
「それが?」
つまり、彼らはそこで二手に分かれて帰るはずだ。
一方は右に、一方は左に。
「・・・なるほど!」
「始めて見たときに、ピンと来たわ」
少しでも一緒に居たいがための行動だろう。
実際、私もそうだった。
「へぇ~そんなタイプには見えないけどね?」
「そんなタイプってどんなよ!?」
いずれにせよ、淡い思い出だ。
若さゆえの行動だったのかもしれない。
「で、その後、彼とは?」
「・・・私のこと!?」
上手く行っていれば、今でも独身のはずがない。
「見ての通りよ!」
とにかく彼らを見守って行きたい。
「今度、私も連れてってよ?」
「ぜっーたぁいぃー、いやぁー!!」
私が彼と上手く行かなかった理由はそこにあったからだ。
(No.819完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(033)小説No.801~825」カテゴリの記事
- [No.825-2]ペパーミントグリーン(2018.03.04)
- [No.825-1]ペパーミントグリーン(2018.03.03)
- [No.824-2]恋の残骸(2018.02.28)
- [No.824-1]恋の残骸(2018.02.27)
- [No.823-2]ヒイラギとイワシ(2018.02.25)
コメント