[No.819-1]T路地の恋
No.819-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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時々、ある場所でカップルを見掛ける。
雰囲気からすれば、二人とも高校生だろう。
「そんな趣味があったの!?」
「どんなよ!?」
説明の仕方を少し間違えたのかもしれない。
「だって、カップルを覗いてるんでしょ?」
「あのねぇ・・・」
やはり、丁寧な説明が必要であった。
「帰り道の・・・道の脇で・・・」
人目をはばからず寄り添っている。
「その・・・二人の距離感がすごいんだよね!」
それこそ重なり合ってるんじゃないかと思えるほど近い。
「多分、毎日居るんじゃないかなぁ・・・」
仕事が早く終わった時には、必ずと言っていいほど居る。
だからこその推測だった。
「でもさぁ、道の脇でなんて・・・大胆だね」
確かに、こちらが目をそらしてしまうほどだ。
そのアツアツぶりに。
「ただ・・・分かる気がするなぁ」
それは昔の自分を見ているようでもあった。
「分かる?」
あの場所で寄り添っているのには、きっと理由がある。
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