[No.818-2]老人とイヌ
No.818-2
「相棒?」
私にはそんな関係に見える。
「・・・とは言っても人間じゃないんだけど」
そうなると答えはひとつしかない。
「妖怪?」
「・・・あのね」
おじいちゃんの歩みにあわせるイヌが、そこに居なかった。
「なんだぁ~」
「なんだぁ~・・・って、普通はイヌでしょ?」
とにかく、おじいちゃんだけが散歩していた。
「それは心配ね」
「うん・・・その日だけならいいんだけど」
ただ、今まで一度もひとりだけの姿を見たことがない。
だからこその違和感だった。
「まぁ、明日には元気な姿を見せてくれるんじゃない?」
「うん・・・そう願ってる」
翌日、友人の言葉通りになった。
(良かったぁ・・・)
すれ違いざまに、心の中でつぶやいた。
「今日も一日、頑張るかぁ!!」
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