[No.815-2]私の場合は
No.815-2
「そうそう!」
洋服売り場は子供にとって格好の遊び場だ。
「・・・仕方ないわね」
許したと言うより、あきらめたと言ったほうが良いだろう。
「ところで、体は大丈夫?」
「大丈夫よ、自転車がぶつかってきたわけじゃないし」
“むしろ子供のほうが凶器よ”と言いそうになった。
「その割には、結構な悲鳴だったわよ?」
「そりゃそうでしょ!?突然だもん!」
とにかく、この場を離れたほうがよさそうだ。
どうやら鬼ごっこが、また始まったみたいだ。
「ほんと・・・懲りないんだから・・・」
「それが子供でしょ?」
友人をなだめながら、子供とは反対方向に歩く。
「実は・・・私も経験あるんだ」
「そうなの!?」
正直、完全に忘れていた。
けど、友人を見ていると、記憶が蘇ってきた。
「ほら!あなたも痛い目にあってたんじゃない!」
「痛い目に?・・・そうも言えなくないけど」
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