[No.813-1]僕の順番
No.813-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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『あけましておめでとうございます』
目覚めると、LINEが届いていた。
「相変わらずだなぁ・・・」
初笑いならぬ、初苦笑いだった。
文字ではなく、いつもの通りスタンプでそれが届いたからだ。
『すてきな1年になりますように』
新年のあいさつに、もうひとつスタンプが添えられていた。
ふたつとも、彼女が好きなスヌーピーのスタンプだ。
「・・・」
「素直に嬉しいな」
普通に考えれば、単なる社交辞令に過ぎない。
今朝は、こんなあいさつが飛び交っているだろうから。
「こんな時こそスタンプなんだろうけど・・・」
華やかな年明けこそ、文字よりもスタンプだ。
イラストが華やかさを演出するからだ。
「でも・・・なぁ・・・」
スタンプだと微妙なニュアンスが伝わってこない。
そこに何かが隠されていたとしても。
「考え過ぎかな?」
「いや・・・どうだろう?」
彼女とはそんな不思議な関係だ。
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「(033)小説No.801~825」カテゴリの記事
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