[No.812-2]冬休み
No.812-2
「別に、なにもないわよ」
とは言うものの、なにかを隠している顔だ。
今までも何度か目にしたことがある。
「まさか・・・会社を辞めようとか?」
連休どころか、へたをすれば永遠に休みになってしまう。
「まぁ、その・・・そうじゃないんだけど」
「・・・じゃぁ、なに?・・・あっ・・・」
あることに気付いた。
もしかして、その永遠の休みと言うのは・・・。
「ま、ま、まさか・・・付き合っている人、居たの!?」
昨日のクリスマスイブは一緒に過ごした。
おまけに、今日も一緒に過ごす予定だ。
「もしかして・・・」
「一緒に過ごすのが最後だから付き合ってくれたの?」
振り返れば、5年以上はクリスマスを彼女と過ごしている。
「なんで?」
「だって、結婚を機に・・・」
そうなると私と過ごすわけにもいかないだろう。
そもそも、私と過ごしたいとも思わなくなる。
「ごめん、全然気付かなかった・・・」
同じ独身者同士だと思っていた。
ただ、裏切られたとは思っていない。
「・・・おめでとう」
「さっきからひとりで盛り上がってない?」
友人が呆れ顔で問い掛けてきた。
| 固定リンク | 0
「(033)小説No.801~825」カテゴリの記事
- [No.825-2]ペパーミントグリーン(2018.03.04)
- [No.825-1]ペパーミントグリーン(2018.03.03)
- [No.824-2]恋の残骸(2018.02.28)
- [No.824-1]恋の残骸(2018.02.27)
- [No.823-2]ヒイラギとイワシ(2018.02.25)
コメント