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[No.810-2]答えは近くにある

No.810-2

「間違って入ることもないだろうし・・・」

さっきも言ったように、登るしか手がない。

「どうする?」
「・・・そうね」

自力で入ったのなら、自力で出れると考えた。
でも、もし・・・。

「いたずらされたかも?」
「あり得なくもないわね」

フェンスの中に放りこまれた可能性がある。

「けど、どうやって出す?」

問題はそこだ。
フェンスをよじ登れば済むことだが、そう簡単には行かない。

「助けを呼ぼうか?」
「う、うん・・・」

そうしたい気持ちはあるが、あまり大ごとにもしたくない。

「もうちょっと考えて・・・」
「・・・えっ!?」

さっきまで中にいたはずの猫が私の足もとでじゃれついている。

「ど、ど、どういうこと!?」

その時だった。
風にあおられて、フェンスの一部がゆっくりと開いた。

「とびらぁ!?」
「そうみたい・・・よく考えたら、ないとおかしいよ」

猫に何かを教えられた、そんな気分になった週末だった。
S810
(No.810完)
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