[No.810-1]答えは近くにある
No.810-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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フェンスの向こうに猫がいる。
「どこから入ったんだろう?」
「・・・そうよね」
友人の言葉に素直に反応してみる。
そのフェンスは建物の四方をとり囲んでいる。
加えて、2メートルほどの高さがある。
「まさか、登った?」
「かもしれないけど・・・」
猫にとってみれば、朝飯前なのかもしれない。
ただ、あまりそんな光景を見たことがない。
「どこかに、穴が開いているのかもよ?」
フェンスをマジマジと確認する。
「残念ながらなさそうね」
ということは、答えは必然的に決まる。
「やっぱり、登ったんだぁ!」
状況からそう判断せざるを得ない。
ただ・・・ひとつ疑問が残る。
「疑問?」
「うん、なんで登ったのかな?」
というより、なぜ中に入る必要があったのか・・・。
「・・・何もないわよね?」
「そうね・・・」
建物は民家じゃない。
何らかの設備を収納していそうな無機質な建物だ。
猫の興味をひきそうな物は見当たらない。
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