[No.808-1]黄色いじゅうたん
No.808-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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イチョウ並木を歩く。
今しかできない贅沢な時間だ。
「まさしく黄色いじゅうたんだな」
圧巻の光景とはこのことだろう。
「・・・えっ!?なにか言った?」
僕より少し前を歩く彼女が振り返った。
「いや、だから黄・・・」
言いかけて止めた。
場の雰囲気がそうさせたのかもしれない。
「それにしても、サクサク音がするね」
「・・・音?」
そう言うと、その場で大袈裟に足踏みをして見せた。
「ほら!」
「あぁ、そういうことね」
色に圧倒されて、心地よい音まで気付けなかった。
確かに、サクサクと音がする。
「ずっと・・・向こうまで続いてるね」
「・・・そうだな」
まるで有名な絵画にでも出てきそうな風景だ。
その中に僕たちが居る。
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