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[No.805-2]触れていたい

No.805-2

当時、カラフルな色の手袋をしていた。
原色と言うより、蛍光色と言ったほうが良いだろう。

「流行だったかどうかは覚えていないけど」
「結構、みんなしてたな」

それに値段がかなり安かったように記憶している。
具体的な金額は覚えていないが。

「今思えば、手袋と言うより軍手に近かったかも」

その割には、耐久性はイマイチだった。
かなり、頻繁に買い換えていた記憶もある。

「ただ、安かったから」

高校生のお小遣いでも負担にならずに済んだ。

「じゃぁ、当時を思い出してして見れば?」
「よせよ、恥ずかしい・・・」

色もさることながら、年齢に相応しい品が必要だ。

「そんなことを言う歳になったんだ?」
「まぁ・・・な」

大袈裟だけど、年末を前に少し感慨深くなった。

「でも、なんで今はしないの?」

話を振り出しに戻してきた。

「だから、習慣・・・」

いや、違う・・・。

「直接、君に触れていたいからだよ」
T805
(No.805完)
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