[No.805-1]触れていたい
No.805-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「・・・手袋は?」
「まだ、早いだろ?」
それよりも、そもそも手袋の習慣がない。
それに、ポケットに手を突っ込んでおけば何とかなる。
「私なんか見て見て!・・・ほら!この通り!」
単にそれを見せびらかしたいだけだろう。
たた、これに関しては、嬉しくもあるが・・・。
「そんなにはしゃぐなよ・・・」
その手袋は、僕がプレゼントしたものだった。
「照れ屋なんだからぁ!」
と言うより、恥ずかしいだけだ。
「暖かいよ、これ」
それはそうだ。
かなり吟味して買った。
「あなたも手袋すれば?」
「だから、そもそも習慣が・・・」
とは言え、高校を卒業するまではしていたことを思い出した。
「じゃ、すれば?」
「当時は自転車通学だったから・・・」
さすがに、素手ではきつかった。
「ただ・・・」
手袋で思い出したことが、もうひとつあった。
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