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[No.804-1]ロケットパンチ

No.804-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「・・・」
「何だよ・・・」

無言のまま、視線を上から下に落としている。
もしかして・・・。

「気付いた?」

つい最近、コートを新調した。

「どうかな?」
「・・・それ以前にちょっとサイズが大きくない?」

痛いところを突かれた。
違う意味で気付かれていた。

「ちょうどいいサイズがなくて・・・」

大きいサイズしか残っていなかった。
限定品だけに“再入荷は無い”と店員に言われた。

「だから、多少なら・・・と」

コートだけにダブつき感は、さほど気にはならない。
ただ、袖が長すぎて、姿勢を正すと手の甲が隠れてしまう。

「入学したての中学生みたい・・・」

服に着せられているとでも言いたいのだろう。
ある意味、的を得た表現だ。

(No.804-2へ続く)

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