[No.803-2]手が覚えてる
No.803-2
「それにしても、子供たちは楽しそうね」
「・・・だな」
店の中は子供たちの熱気でいっぱいだ。
思い思いに何かを作っている。
「あの子なんて・・・」
上手くはないが、一目でロボットだということが分かる。
「子供の想像力にはかなわないよ」
ある意味、無敵だ。
大袈裟だけど、無限の可能性を感じる。
「なんなら、プレゼントするわよ」
「もうすぐ、初めてのクリスマスなんだし」
彼女がさりげなく言い放った。
「お返しが・・・怖いな」
もしかして、プレゼントで先手を取られたかもしれない。
それも彼女は手ごろな価格で・・・。
「もちろん、期待してるわよ!」
やはり、思った通りの展開だ。
懐かしさにつられて、この店に入ったのが失敗だった。
「分かったよ・・・」
潔くあきらめることにした。
「あなたが作ったクリスマスツリーをプレゼントしてくれない?」
(No.803完)
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