[No.801-1]近付けば近付くほど
No.801
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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(急いでないから、普通でもいいかな・・・)
次の特急電車が来るまでには、少し時間がある。
それに普通電車の方が座れるはずだ。
「同窓会はどうだった?」
昨日、中学の同窓会が開催された。
「まぁ、あんなものよ」
曖昧な表現で返した。
「ドラマのような話ないの?」
「あるわけないでしょ!?」
世間では不倫だのゲスだの、ある意味、魅力的な言葉が踊る。
独身の私にとっては・・・。
「あら、つまんないの!」
「じゃあ・・・好きな人は来てた?」
あくまでもそっち方向に話を持っていきたいらしい。
「来てたわよ、でも・・・」
百年の恋も冷めるとは、このことだった。
悪い意味で、別人だった。
「同窓会、あるあるね・・・」
「私も人のこと言えないけどね」
けど、だからこそ同窓会は盛り上がる。
その“ガッカリ感”もまた楽しい。
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