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[No.799-2]犬の目線

No.799-2

「たまには散歩もいいでしょ?」
「まぁ・・・ね」

どちらかと言えば、いやいや散歩に付き合っていた。

「土日だけでもどう?」
「話をすりかえないの!」

本音を言えば、悪くない提案だ。

「気が向いたら、付き合ってあげるわ」
「そうこなくっちゃ!」

目線が変わると、聞こえてくる音さえ変わる気がした。
風の音や川のせせらぎさえ、聞こえてきそうだ。

「小さい頃は、いつもこんな目線だったよね」

もっと草花が身近に感じられた。
そこで暮らす生き物たちも。

「それに、色んなものを拾ったり・・・」

私の場合、きれいな石を見つけては宝物にした。

「そうそう!何か落ちていないかな・・・」

昔を思い出して、辺りをゴソゴソしてみた。
ぬるっとした感触が手に伝わる。

「・・・ん?うわぁ!!!!」
S799
(No.799完)
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