[No.799-1]犬の目線
No.799-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「わぁ・・・きれい・・・」
「あら、ほんと」
友人と犬の散歩に出掛けた道中で見つけた。
とても小さな花だった。
「なんて花?」
「知るわけないじゃん!」
きれいな花であっても、見るからに名も無き花という感じだ。
雑草感は半端ない。
「立ったままなら気付かなかったよね」
老犬だけに、やたら休憩が多い。
それに合わせて、私も腰を落としていた。
「こうして、犬の目線になってみると・・・」
別の世界が広がっていた。
小さな花もそのひとつだった。
「ほら、模様も・・・」
よく観察すると模様のひとつひとつが手に取るように見えた。
とても繊細で、色鮮やかだ。
「遠目じゃ、全然わからないよ」
草花をこんなに間近で見たのも久しぶりだ。
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