« [No.797-2]避けるのが上手い | トップページ | [No.798-2]210円の切符 »

[No.798-1]210円の切符

No.798-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「ICカード・・・だよね?」
「そうだよ」

友人がおそるおそる聞いてきた。

「しつこいけど、“今も”だよね?」
「そうよ」

友人がなぜしつこく聞いてくるのか、理由は分かっている。

「だったら・・・さっきの・・・」
「別に彼女たちをだましたわけじゃないからね」

さっき、高校生らしい女の子二人組に声を掛けられた。
電車から降りた直後に。

「けど、その切符、あなたのじゃないでしょ?」
「もちろん!だってICカードだもん」

彼女達からこう声を掛けられた。
“切符を落としましたよ”と。

「だったら、その切符、どうするつもり?」
「とりあえず、駅員さんにでも届けておくわ」

友人が何か言いたそうだった。

「“なぜ違うと言わなかったの?”・・・なんて顔ね」
「だってそうなるでしょ!?」

これにはちゃんとした理由がある。

(No.798-2へ続く)

| |

« [No.797-2]避けるのが上手い | トップページ | [No.798-2]210円の切符 »

(032)小説No.776~800」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.798-1]210円の切符:

« [No.797-2]避けるのが上手い | トップページ | [No.798-2]210円の切符 »