[No.798-1]210円の切符
No.798-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「ICカード・・・だよね?」
「そうだよ」
友人がおそるおそる聞いてきた。
「しつこいけど、“今も”だよね?」
「そうよ」
友人がなぜしつこく聞いてくるのか、理由は分かっている。
「だったら・・・さっきの・・・」
「別に彼女たちをだましたわけじゃないからね」
さっき、高校生らしい女の子二人組に声を掛けられた。
電車から降りた直後に。
「けど、その切符、あなたのじゃないでしょ?」
「もちろん!だってICカードだもん」
彼女達からこう声を掛けられた。
“切符を落としましたよ”と。
「だったら、その切符、どうするつもり?」
「とりあえず、駅員さんにでも届けておくわ」
友人が何か言いたそうだった。
「“なぜ違うと言わなかったの?”・・・なんて顔ね」
「だってそうなるでしょ!?」
これにはちゃんとした理由がある。
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「(032)小説No.776~800」カテゴリの記事
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