[No.795-2]三部作
No.795-2
「これで、二つ目ね」
「なにが?」
この時期の風物詩と言えば良いのだろうか?
「キンモクセイの香り・・・そして、この虫・・・」
これらはほぼ同時にやってくる。
「これで三部作のふたつが出揃ったわけね」
「・・・三部作?」
友人が何とも不思議な表情をしている。
「・・・ということは、もうひとつあるんだよね?」
「もちろん!三部作というくらいだからね」
それが何だか分かっていない・・・そんな表情も加わった。
「ちなみに、残るひとつはあなたのことよ?」
「えっ!?わたし?」
やはり気付いていないようだった。
私にとってみれば、風物詩以上の風物詩だと思っている。
「なに、なに!?」
「そろそろ、物色を始めるころでしょ?」
クリスマスに向けた友人の物色が始まると三部作は完成する。
(No.795完)
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