[No.795-1]三部作
No.795-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
-----------------------------
「・・・もう、そんな季節なのね」
友人の唐突なセリフだった。
でも、唐突になる理由は理解できる。
「そうよねぇ・・・」
姿は見えなくとも、どこかで咲いているのは間違いない。
あの独特の香りが漂っているからだ。
「でもさぁ、毎年、同じこと言ってない?」
確かに、この香りを嗅ぐと、つい口から出てしまう。
「逆に言わずにはいられないでしょ?」
「まぁね」
この香りに限らず、この時期、色々なイベントが始まる。
「あいつらも出てきたわよ」
「・・・あっ!ほんとだ」
蚊ような小さな虫がアチコチ飛び交っている。
「けど、まだマシな量ね」
通り過ぎるのをためらうくらい、大量に飛んでいることもある。
| 固定リンク | 0
「(032)小説No.776~800」カテゴリの記事
- [No.800-2]僕のポジション(2017.11.08)
- [No.800-1]僕のポジション(2017.11.07)
- [No.799-2]犬の目線(2017.11.05)
- [No.799-1]犬の目線(2017.11.04)
- [No.798-2]210円の切符(2017.11.01)
コメント