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[No.795-1]三部作

No.795-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「・・・もう、そんな季節なのね」

友人の唐突なセリフだった。
でも、唐突になる理由は理解できる。

「そうよねぇ・・・」

姿は見えなくとも、どこかで咲いているのは間違いない。
あの独特の香りが漂っているからだ。

「でもさぁ、毎年、同じこと言ってない?」

確かに、この香りを嗅ぐと、つい口から出てしまう。

「逆に言わずにはいられないでしょ?」
「まぁね」

この香りに限らず、この時期、色々なイベントが始まる。

「あいつらも出てきたわよ」
「・・・あっ!ほんとだ」

蚊ような小さな虫がアチコチ飛び交っている。

「けど、まだマシな量ね」

通り過ぎるのをためらうくらい、大量に飛んでいることもある。

(No.795-2へ続く)

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