[No.793-1]一本の糸
No.793-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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振り返ると、とても不思議なことがある。
「たしかに、そうね」
同窓会では昔話に花が咲く。
加えて、必ず恋愛話に発展して行く。
「でしょ!?」
私たちの高校は女子校だった。
だから、ふたりとも彼氏は他校にいた。
「電話で連絡を取り合っていた記憶がなくて」
「・・・私も」
今のように、携帯もメールもない時代だ。
あったのは、いわゆる“黒電話”だった。
「高校生にはハードルが高かったよね?」
特に、彼氏が彼女に電話する場合は。
「・・・私も数回しか話した記憶がない」
それでも、学校帰りに何度となく一緒に帰っていた。
その時、どうやって連絡を取り合っていたのだろうか?
「そうよね、特別な日ならともかく・・・」
「日常的な連絡って、ほんとどうやってたんだろう・・・」
ただ、なんとなくある記憶が残っている。
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「(032)小説No.776~800」カテゴリの記事
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