[No.790-1]最後の100メートル
No.790-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「陸上部だったの!?」
「言ってなかった?」
話の流れで学生時代のクラブ活動の話題になった。
「てっきり文科系だと・・・」
「それ、ほめてるの?」
その質問には答えにくい。
ただ、少なくともけなしてはいない。
「その、ほら・・・お嬢様に見えたからさぁ・・・」
「ふ~ん」
少なくとも喜んでいる表情ではない。
早く話をもとに戻した方がよさそうだ。
「ちなみに、短距離だったよ」
「俺もそう!」
幸いにも彼女から話をもとに戻してくれた。
「400メートルは?」
「もちろん、走ったわよ」
それなら話が早い。
あの苦しみも分かってくれるだろう。
「それなら・・・」
「最後の100メートル?」
「えっ!?そ、そうだけど・・・」
彼女の口から先に出るとは思っていなかった。
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