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[No.786-2]露先

No.786-2

「・・・これで・・・よし」

一旦、傘を閉じて、生地のキャップ部分を骨に差し込んだ。

「ね、みっともなかったでしょ?」
「そう責めるなよ」

けど、確かに言うとおりだ。
骨が一本飛び出しているだけでも、その雰囲気たるもの・・・。

「まったく・・・ここに来るまで気付かないんだから」
「仕方ないだろ?」

残念ながら、後ろに目は付いていない。

「とにかく助かったよ」
「今度から気を付けてね!」

傘をさすときは念のため確認することにしよう。
繰り返しになるが、その雰囲気たるもの・・・。

「でも・・・さぁ」
「・・・何よ?」

これも繰り返しになるが、後ろに目は付いていない。

「後ろを見てみなよ」
「後ろ?」

僕と同じ行動をした。

「じゃなくて・・・傘そのものの後ろだよ」
S786
(No.786完)
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