ホタル通信 No.334
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.249 汽笛
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性
若干、設定は変えていますが、比較的、実話度は高めで、今でも胸がキュンと苦しくなる小説です。
胸がキュンとはなりますが、そんな色気のある話ではありません。
社会人生活をスタートさせたのと同時に、寮生活ではありましたが、一人暮らしも始まりました。
その寮が駅のすぐ近くにあったため、汽笛がよく聞こえました。
もともと閑静な場所だっただけに、夜になるとよりハッキリと聞こえました。
今までなら何とも思わなかった汽笛も、環境が変われば受け取り方も変わります。当時は“寂しさの象徴”として聞こえて来ました。
汽笛は駅や列車の存在を感じさせ、「今、飛び乗れば家に帰れる」と、逃げ出したい気持ちをより助長したのです。
布団に包まり、ただジッと耐えていました、大袈裟ですが。
それこそ、TVドラマや映画などで有りそうなシーンです。激しく泣くことはなかったものの、不安だらけの毎日で、涙が流れなかった日はありませんでした。寮に1週間ほど居た後に、皆、各地に配属されていきました。
ラストの「トイレだったんだ」は創作です。不安と寂しさを抱えているのは私一人ではなかったんだ・・・ということを間接的に描いてみました。
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