[No.782-1]彼と同じ
No.782-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
-----------------------------
「・・・あれ、ひどくないか?」
彼が小声で話しかけてきた。
どうやら、前を行く女性のことを言っているようだ。
「まぁ・・・そうよね」
その女性は犬の散歩をしている。
ただ、その散歩の仕方に問題があるかもしれない。
「問題アリアリだろ?」
彼が食い下がってくる。
確かに見た目には、よくない行為として映る。
「ワンちゃんはそんなに嫌がってない・・・よね?」
けど、あくまでも私がそう感じるだけだ。
実際はそうではないかもしれない。
「そりゃ、喜んでいるようには見えるけど・・・」
飼い主はスケボーのような物に乗っている。
それをワンちゃんに引っ張ってもらっている。
言わば“犬ぞり”のような状態だ。
「でも、小形犬だろ?」
「いくら飼い主が小柄だとしても・・・」
彼の言い分も最もだ。
相当、気合を入れて引っ張っているようだった。
| 固定リンク | 0
「(032)小説No.776~800」カテゴリの記事
- [No.800-2]僕のポジション(2017.11.08)
- [No.800-1]僕のポジション(2017.11.07)
- [No.799-2]犬の目線(2017.11.05)
- [No.799-1]犬の目線(2017.11.04)
- [No.798-2]210円の切符(2017.11.01)
コメント