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[No.782-1]彼と同じ

No.782-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
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「・・・あれ、ひどくないか?」

彼が小声で話しかけてきた。
どうやら、前を行く女性のことを言っているようだ。

「まぁ・・・そうよね」

その女性は犬の散歩をしている。
ただ、その散歩の仕方に問題があるかもしれない。

「問題アリアリだろ?」

彼が食い下がってくる。
確かに見た目には、よくない行為として映る。

「ワンちゃんはそんなに嫌がってない・・・よね?」

けど、あくまでも私がそう感じるだけだ。
実際はそうではないかもしれない。

「そりゃ、喜んでいるようには見えるけど・・・」

飼い主はスケボーのような物に乗っている。
それをワンちゃんに引っ張ってもらっている。
言わば“犬ぞり”のような状態だ。

「でも、小形犬だろ?」
「いくら飼い主が小柄だとしても・・・」

彼の言い分も最もだ。
相当、気合を入れて引っ張っているようだった。

(No.782-2へ続く)

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