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[No.780-2]大切なのは

No.780-2

「そりゃ、そうだろ・・・」
「女性そのものを見てたわけじゃないんだから」

ようやく、言い訳がましいことをしゃべりだした。

「・・・それなら胸?それとも脚?」

直球を投げ込んだ。
悔しいけど、胸も脚もその女性のほうが上だ。

「どっちでもないよ」

それなら・・・。

「・・・だから、女性そのものを見てたんじゃない」
「かばんだよ、手提げかばん」

確かに雑誌の付録のようなかばんを持っている。
お世辞にも高級そうには見えない。

「そのかばんがどうしたのよ!?」
「ほら、読んでみてよ」
「・・・読む?」

あらためて、カバンを見た。

「・・・何か書いてある」

何やら英文が書かれていた。

全然気付かなかったのが不思議なくらい大きな文字で。

「えっ・・・と・・・」

“Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow”

「なんて意味?苦手でさぁ・・・」
S780
(No.780完)
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