[No.780-2]大切なのは
No.780-2
「そりゃ、そうだろ・・・」
「女性そのものを見てたわけじゃないんだから」
ようやく、言い訳がましいことをしゃべりだした。
「・・・それなら胸?それとも脚?」
直球を投げ込んだ。
悔しいけど、胸も脚もその女性のほうが上だ。
「どっちでもないよ」
それなら・・・。
「・・・だから、女性そのものを見てたんじゃない」
「かばんだよ、手提げかばん」
確かに雑誌の付録のようなかばんを持っている。
お世辞にも高級そうには見えない。
「そのかばんがどうしたのよ!?」
「ほら、読んでみてよ」
「・・・読む?」
あらためて、カバンを見た。
「・・・何か書いてある」
何やら英文が書かれていた。
全然気付かなかったのが不思議なくらい大きな文字で。
「えっ・・・と・・・」
“Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow”
| 固定リンク | 0
「(032)小説No.776~800」カテゴリの記事
- [No.800-2]僕のポジション(2017.11.08)
- [No.800-1]僕のポジション(2017.11.07)
- [No.799-2]犬の目線(2017.11.05)
- [No.799-1]犬の目線(2017.11.04)
- [No.798-2]210円の切符(2017.11.01)
コメント