[No.779-2]あの駅
No.779-2
「もうちょっとみぎぃー!」
思わず力んでしまった。
ただ、今度ばかりは私の気持ちを察してはくれなかった。
「そうだと思うんだけどなぁ・・・」
多分、間違いないと思う。
けど、もう少し確信を持ちたかった。
「・・・どうしてるかな」
あの駅だと決まったわけじゃない。
でも、一気に想い出がよみがえってきた。
「ある意味、サプライズかな」
アレやコレやと、随分、独り言をしゃべってしまった。
そうこうしている内に、インタビューも終わろうとしていた。
「何だか名残惜しいな」
もう二度とその駅を訪れることはないだろう。
それはあの時から決めていたことだ。
「けど、あの駅じゃなかったらお笑いね」
もし、そうだったら、私の感傷を返して欲しいところだ。
その時、レポーターがある言葉を発した。
「・・・やっぱり!」
そのレポーターは“・・・駅から・・・”と中継を締めくくった。
(No.779完)
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