[No.775-2]私は代表者
No.775-2
「午後から練習だって」
私としては、現場に申し訳ない気持ちがある。
毎日遅くまで仕事している人のことを考えると・・・。
「だから、冷めてるの?」
当然、現場も私と同じ気持ちだと思っていた。
ところが・・・。
「・・・みんな、応援モードでさ」
「冷めていたのは、私を含めて、わずかな人だけ」
私としては“現場の代表”のつもりでいた。
現場に代わって物申す、ちょっとしたヒーローを気取っていた。
「その時、気付いたんだ」
「なんて私は心が貧しい人間かと・・・」
その自己嫌悪たるもの・・・最悪だった。
「それに、みんなも“きっとそうだ”なんて・・・」
勝手に他人を巻き込み、その代表者のようなつもりでいた。
「私だって、決して“ゼロ”じゃない」
「ただ、同じ会社の仲間じゃん!」
それにサボっているどころか、会社に貢献している。
会社の知名度も信じられないくらい上がってきた。
「だから、一緒に応援しようよ」
「うん・・・そのつもり」
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