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[No.775-1]私は代表者

No.775-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「ハァ・・・・」

自己嫌悪に陥ったことは何度もある。
けど、今回ほどは酷くはなかった。

「どうしたの?さえないため息ね」

普通、ため息は“さえない”時に出る。
そう言い返したいけど、そんな気にすらならない。

「まぁ・・・ね」
「今日は特に重傷じゃない?」

それは当たっている。

「彼が居ないから、ふられたわけでもなさそうだし・・・」

いちいち気にさわることを言う。
早めに理由を話したほうがよさそうだ。

「・・・さん、知ってる?」
「もちろん!今、旬の人じゃない!?」

会社に、サークル程度のテニス部がある。
そのテニス部の人が、全国大会に出場することになった。

「凄いよね!」

創立以来の出来事に、会社をあげて応援することになった。
でも、個人的にはどうしても応援する気にはならなかった。

「どうして?」

現場は、一年で一番忙しい時期に突入している。
猫の手どころか、“何の手”でも借りたいほどに。

「それはそうだけど・・・」

会社も前面的に、バックアップすることになった。

(No.775-2へ続く)

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