[No.775-1]私は代表者
No.775-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
-----------------------------
「ハァ・・・・」
自己嫌悪に陥ったことは何度もある。
けど、今回ほどは酷くはなかった。
「どうしたの?さえないため息ね」
普通、ため息は“さえない”時に出る。
そう言い返したいけど、そんな気にすらならない。
「まぁ・・・ね」
「今日は特に重傷じゃない?」
それは当たっている。
「彼が居ないから、ふられたわけでもなさそうだし・・・」
いちいち気にさわることを言う。
早めに理由を話したほうがよさそうだ。
「・・・さん、知ってる?」
「もちろん!今、旬の人じゃない!?」
会社に、サークル程度のテニス部がある。
そのテニス部の人が、全国大会に出場することになった。
「凄いよね!」
創立以来の出来事に、会社をあげて応援することになった。
でも、個人的にはどうしても応援する気にはならなかった。
「どうして?」
現場は、一年で一番忙しい時期に突入している。
猫の手どころか、“何の手”でも借りたいほどに。
「それはそうだけど・・・」
会社も前面的に、バックアップすることになった。
| 固定リンク | 0
「(031)小説No.751~775」カテゴリの記事
- [No.775-2]私は代表者(2017.07.26)
- [No.775-1]私は代表者(2017.07.25)
- [No.774-2]ひまわりとセミ(2017.07.23)
- [No.774-1]ひまわりとセミ(2017.07.22)
- [No.773-2]思い出の品(2017.07.20)
コメント