[No.772-2]仕事終わりの・・・
No.772-2
「・・・楽しみ?」
札幌からだと空路を使うしかない。
「まさか、飛行機に乗るのが楽し・・・」
「子供じゃあるまいし・・・違うわよ」
その楽しみは、最後の最後に訪れる。
「最後に・・・?」
「そう!東京を離れる最後にね」
商談が上手くいったとしても、いかなかったとしても・・・だ。
それは東京出張における一種のルーティンとも言える。
「・・・ということは空港だよね」
「そういうこと!」
緊張の糸が切れ、良くも悪くも身軽になる。
半面、いろいろな意味で喉の渇きもある。
「それって、もしかして・・・」
同僚が右手を“グー”の形にして、“クイッ”とそれを上に動かした。
「あったりぃ~!」
普段は付き合い程度しか飲まない。
飲めないわけではなく、飲みたい気分にならないからだ。
「でも、その時だけは無性に飲みたくなるのよね」
自分を自分で労っている・・・そんな感じだ。
仕事終わりのビールとシュウマイで。
(No.772完)
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