[No.771-2]エチケットブラシ
No.771-2
「特に男子なんてさぁ」
女子以上に気にしていた。
「分かる分かる!」
「ほんと色気づいちゃって」
もちろん、女子だって色気づいてはいた。
けど、女子はもっと前からだ。
「暇さえあれば、ブラシでゴシゴシ・・・」
一体、何を期待しているのかと思うくらいだ。
「あれで、もてるとでも思ってたのかしら・・・」
「当時はそれがオシャレのひとつだったんじゃない?」
今、振り返れば可愛いと言うか・・・。
「けどさぁ、それはそれで懐かしいよね」
丁度、異性を意識し始めた時期でもある。
男子の行動は、良くも悪くも刺激にはなった。
「中学生の時、彼氏は?」
「居るわけないでしょ!?」
居るほうが珍しかった時代だ。
「まぁ、私もだけど・・・」
そんな男子達を冷ややかな目で見ていた。
けど、その中の一人だけは違っていた。
(No.771完)
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